ヒロからサドル・ロードへ
ベテランズ・デー(復員軍人の日)の週末3連休を利用して、ハワイ島に探鳥旅行に出かけた。
午前8時過ぎの飛行機でホノルルからヒロへ。北西からの貿易風の風上に位置するヒロは、風下に位置するホノルルやコナと比べて雨が多い。たとえ雨が降っていなくても、雲に覆われているのが普通の天気だと言っていい。この日も、いつもの曇り空。
レンタカーを借りて、ダウンタウンのスーパーで水と食料を調達後、サドル・ロードを目指した。サドル・ロード(Saddle Road)は、ヒロ~ワイメア近くのHawaii Route 190までの約85kmを東西に結ぶ、Hawaii Route 200の別名である。
プウ・オーオー・トレイル
ヒロから22マイルの標識を過ぎた左側に、プウ・オーオー・トレイル(Puʻu ʻŌʻō Trail)の入り口がある。ここに車をとめて、トレイル沿いで最初の探鳥開始。雨や霧が多い場所だが、この日の午前中の天気は曇りときどき晴れ。
プウ・オーオー・トレイルでの目当ては、アパパネ(アカハワイミツスイ)、イイヴィ(ベニハワイミツスイ)、ハワイ・アマキヒ、アキアポーラーアウ(カワリカマハシハワイミツスイ)、アラヴィー(ハワイ・クリーパー)、ハワイ・エレパイオ(ハワイヒタキ)、オーマオ(ハワイツグミ)などの野鳥たちだ。さらに、イオ(ハワイノスリ)やプエオ(コミミズク)といった猛禽類に出会える可能性もある。
これらのハワイの野鳥について詳しく知りたい方は、私が制作している姉妹サイト『アヌヘア:アヌヘア:ハワイの花・植物・野鳥図鑑』ご覧いただきたい。
トレイルは、オーヒア・レフアの林から始まる。林に入るとすぐに2羽のハワイ・アマキヒが私の目の前を横切って飛んでいった。木々のあちこちから、アパパネとイイヴィの鳴き声が聞こえる。遠くではオーマオも鳴いている。ハワイ島の森に来た実感が湧く。
キープカで探鳥
入り口から40分ほど進むと、コアの森のキープカがある。キープカ(kīpuka)とは、噴火による溶岩流に覆われることなく元のまま残った土地のこと。固まった溶岩に覆われた大地を海に例えると、キープカはまるで海に囲まれた孤島のようにみえる。
この名もなきキープカは、以前、希少なアキアポーラーアウやアラヴィーを観察できたことがある好ポイント。午後2時までの約3時間で、アパパネ、イイヴィ、ハワイ・アマキヒ、ハワイ・エレパイオ、オーマオを見ることができた。
雨がぱらついてきたので、早めに切り上げた。翌日もここに来る予定だったが、雨のため断念することになり、結局この旅では唯一の訪問となった。
Ponds Hilo
ヒロに戻って、海沿いのホテルにチェックイン。夕食は、ホテル近くの水辺にあるPonds Hiloというレストランに入った。暗めの暖色照明の店内は、とても雰囲気がいい。ギター弾き語りによるソロライブ演奏の音量は、食事と会話を邪魔することなく丁度よく、素敵なレストランだった。サービスにも料理にも満足。
3連休初日ということもあってか、夕方5時半にはすでに多くの家族やカップルがディナーを楽しんでいる。誕生会を開いているグループもいる。一人旅の男がふらりと入るような店ではなかったようだ。私は食事を終えると早々に店を出て、ホテルの部屋でゆっくり飲み直した。
写真はすべて筆者による撮影