ホノルルの東西南北:ダイヤモンドヘッド・エヴァ・マカイ・マウカ

ホノルルの東西南北:ダイヤモンドヘッド・エヴァ・マカイ・マウカ

東西:ダイヤモンドヘッドとエヴァ

ホノルルの人たち日常生活の中がよく使う、東西南北の独特な言い方がある。ダイヤモンドヘッド、エヴァ、マカイ、そしてマウカだ。これだけでピンと来た人はかなりのハワイ通だろう。

まず、「ダイヤモンドヘッド Diamond Head」と「エヴァ ʻEwa」で東と西を表す。これらは、ホノルル中心部にいる場合の地理的な位置関係である。ダイヤモンドヘッドは、言うまでもなくホノルルのランドマークであり、ワイキキ、アラモアナ、ダウンタウンなどにいる場合は東側に位置する。

エヴァは、オアフ島の西部にある地名である。有名なビーチ(ʻEwa Beach)があり、玉ねぎ(ʻEwa Sweet Onion)の名前にもなっているので聞いたことがある人も少なくないだろう。とはいえ、有名なダイヤモンドヘッドに対し、なぜ西の代表がエヴァなのだろう。

南北:マカイとマウカ

南は「マカイ Makai」、北は「マウカ Mauka」という言葉で表す。マカイには「海に向かって」という意味があり、マウカには「内地の」や「山に向かって」という意味がある。ホノルルでは、ほぼどこにいても北には山(コオラウ山脈)があり、南には海が広がっている。つまり山側か海側かで北か南かを表すことができるというわけだ。

例えば、アラモアナセンターの山側(北)はマウカ・サイド、海側(南)はマカイ・サイドと呼ばれているし、センターの海側にあるフードコートの名前は、マカイ・マーケットである。

ダイヤモンドヘッドとエヴァはホノルルでしか使えないが、マカイとマウカは、ホノルル以外の地域でも一般的に使われる。ただし、ホノルルでは山側が北で海側が南だが、この方角は当然場所によって変わってくる。例えば、マウイ島のカフルイでは、海がある北側がマカイであり、南側がマウカとなる。

アラワイ運河
ワイキキからアラワイ運河を挟んでマウカ(山側)を撮影。奥にはコオラウ山脈が連なる

東=ダイヤモンドヘッド、西=エヴァ、南=マカイ、北=マウカ最初は覚えにくいかもしれないが、多くの地元の人たちは日常的に使っていて、例えば道案内をするときには「この道をマカイに進んで、交差点をエヴァの方に曲がる」などの言い方をする。

直感的でわかりやすい

ホノルルにある程度長く暮らしているとこの感覚が染み付くし、慣れてくるとむしろ東西南北で言うよりも直感的でわかりやすい。ホノルル在住の日本人同士の会話でも、例えば「今クヒオ通りをダイヤモンドヘッドの方に向かっています」とか、「コンドミニアムには二つの棟がありますが、私の部屋は山側の棟です」などというふうに、ハワイ流の東西南北が使われることも多い。

写真は筆者による撮影