Tippsyについて
Tippsy(www.tippsysake.com)は、アメリカで日本酒をオンライン販売するベンチャー企業で、カリフォルニア州ロサンゼルスに拠点がある。300銘柄をこえる日本酒をボトルで販売してるほか、300mlのミニボトルが6本入った『Sake Box』のサブスクリプションも提供している。2018年の創業以来、私はクリエイティブディレクターとしてウェブサイトや印刷物のデザインやブランディングを担当している。
Facebook内のトピックからできたプロジェクト
Tippsyは『Tippsy Sake Club』というFacebookグループを開設していて、1000名をこえるメンバーによる活発な交流がオンラインで行われている。ある日、メンバーの一人からこんな投稿があった。
“When drinking sake, are you Team Chill or Team Warm?”
冷酒派のことを「Team Chill」、燗酒派のことを「Team Warm」と投稿者が名付けて、「日本酒を飲むとき、あなたはTeam ChillですかTeam Warmですか?」と聞いてみたわけである。この投稿には70以上の面白いコメントが寄せられ盛り上がった。
この盛り上がりをうけて、TippsyではTeam ChillとTeam Warmのグッズを作ることになった。Tシャツやコースターなどのアイディアもあったが、最初のグッズはトートバッグに決まった。私がイラストを描くことになった。ちなみに常夏のハワイでも「酒は純米、燗ならなお良し」を実践している私は、断然Team Warmである。
トートバッグ制作会社を探す
インターネットでいくつかのトートバッグ制作会社を探した結果、Enviro-Toteという1990年からトートバッグを作っている家族経営の会社がよさそうだった。クオリティの高いアメリカ製トートバッグは高い評価を得ているようだった。なによりもウェブサイトが見やすかったのが決め手となった。
Enviro-Toteの担当者とメールで見積もりやカスタマイズ依頼のやり取りをしていくうちに、カスタマーサービスの質が高い信頼できる会社であることがわかってきた。返事はすぐに来るし、的確かつ誠実に当方の質問や要望に答えてくれた。カスタマーサービスは最後まで大変満足のいくものだった。
イラストの作成
冷酒と燗酒をテーマにイラストを描くことになったわけだが、ありきたりのものでは面白くない。なにかユーモラスでファンタジックなものにしたいと思い、Team Chillでは人魚が冷酒を飲んでいて、Team Warmでは女性が盃の風呂に浸かって燗酒を飲んでいるというアイディアに行き着いた。
アイディアをスケッチにしてTippsyのスタッフに見せてみたところ気に入ってもらえた。まずはTeam Chillのトートバッグを作ることになった。
イラストは目の粗いキャンバス生地に直接プリントされるため、線が細い精密な描写はできない。Enviro-ToteのスペックシートにはAdobeイラストレーターで1.5ポイントより細い線は使うべきではないと書かれている。印刷されない部分の隙間も2ポイント以上が推奨されている。このことに注意を払いながらイラストレーターで作画した。結果的に最初のドローイングよりもかなり簡素化されたイラストになった。
完成
完成品のトートバッグはとてもいい出来栄えだった。幅46センチ、高さ37センチの丈夫なバッグは一升瓶でも十分に運べそうだ。バッグの内側にはスマホや財布が入る大きめのポケットがついていて、使い勝手がいい。
トートバッグは、Tippsyのウェブサイト(www.tippsysake.com)で販売されている。